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2015年7月13日月曜日

再生可能エネルギーで、地域の未来を夢見る  小水力発電勉強会で郡上市石徹白へ

こうこんばんは。
今日はほんとに暑かった!
これが夏本来の姿とはいえ、ますます暑くなると思うと、いささかうんざりです。

今日は「小水力発電勉強会」で郡上市の石徹白(いとしろ)地区へ行って来ました。
そもそも、この講座を思いついたのは、移住定住の勉強会で、今日講師をお願いした平野彰英さんに会ったこと。

自分でもよくわからないけれど、たとえば自分の家の電気が小水力発電で賄えたらいいなとか自治会の電気が小水力発電で賄えたらいいなとか、もし事業化できたら地域の財源になるので自立できるかも・・という漠然とした憧れと直感みたいなものがあったからなのでした。

また、小水力に関しては風力のように低周波の問題もないし、地域の自然や景観の大規模な破壊といった問題もないし、大小様々な水流のある多良地区では実現不可能なことではないように感じたこともその理由の一つでした。

前回は座学でしたが、今回は実際に設置された発電機が稼働している石徹白に行って現地を見ながら話を聞いてきました。

では、先日、友達と下見に行ったときの写真から・・
石徹白には東海北陸自動車道の白鳥ICから行くのですが、途中、「阿弥陀ヶ滝」という、すばらしい滝があります。





周囲をそそり立つ岸壁に囲まれた滝は落差約60m、幅7m。
近くまで歩いていくことができ、なんだかシンフォニーが聞こえてきそうな
名瀑です。

ただ、ここに立ち寄っていると時間をくうので、今回はパスでした。

石徹白は知る人ぞ知る、白山信仰のメッカです。
古来、山は神様の住まう地として
信仰の対象になってきました。

その信仰のよりどころとなっているのが、
この白山中居神社です。
神と人との間にあって仲立ちをする場所という意味で、
中居神社なのだそう。

石徹白に住む人々はみんな神職で、夏場は白山を訪れる信者の道案内、冬場はお札を売ったり、白山信仰を広める布教などをしながら生計をたて、
どこの藩にも属さず、朝廷の直轄地として誇り高く生きてきました。

苗字も石徹白さん、上杉さん、上村さんなどが多いみたいです。

初めて訪れた白山中居神社は
有史以前から連綿と続く信仰の深さを思わせる
荘厳な場所でした。





緑の木々や清らかな川の流れにも神宿るといった感じです。


お昼は神社の駐車場の前にある上在所のコミセンで営業している「くくりひめカフェ」にて。
くくりひめとは白山神社に祀られている「菊理媛神」(白山比咩神)のこと。
地元の食材を使った優しい味わいのランチでした。




白山中居神社から30分ほど登ると
有名な石徹白の大杉に。
ただ周辺にはクマも生息しているので
行かれる場合は十分注意してくださいね。

本殿のすばらしい彫刻は
井波の彫刻だそう。



こちらの狛犬は
子どもをつれていました。

さて、食事の時に平野さんが合流。
石徹白についてのお話しや小水力導入についてのお話をうかがいました。
先日第二子が生まれたそうで、奥様の 馨生里(かおり)さんは
自宅で「石徹白洋品店」を営んでおられます。
ぜひ、落ち着かれたら行ってみたいお店です。


こちらは今年6月から稼働を始めた石徹白1号用水発電所。
県営農村環境整備事業で設置されたもの
管理は平野さん達が請け負っています。





一方こちらは平成28年稼働予定の「石徹白農業用水農業協同組合」による2号用水の取水口。
事業費2億4千万円のうち、県が55%、市が20%を補助。
残りの25%を石徹白農業用水農業協同組合が負担するというもの。
組合員は石徹白地区の住民91人。
800万円をみんなで出資してそれを担保に4000万の融資を受け、
設置費用にあてるというもの。
平均すると一戸あたり約8万円という計算になるのですが、
強制はしなかったそう。
中には一人で150万円出資した方もあったとか。

出資ですから当然配当ということも考えられるのですが、
みなさん、そういうことはほとんど考えなくて、
地域の未来に向けての投資という
お考えのようでした。


2007年から始まった石徹白地区での小水力の取り組み。
最初は県から話がありましたが、
県の事業だから売電による利益はすべて
県にしか入らないということで、地元では強い反対があったそう。

その後、どうせなら地域にお金の落ちるしくみにしようと紆余曲折を経て、
農協という形になったようです。最初は好きよりの集まりということで冷やかに見ていた
住民たちも、周囲から話題にされたことで
少しずつ関心が高まって行ったのだそう。
やはり、メディアとのタイアップというのは大きい。


この水車は2009年に導入されたらせん型水車2号機
800wを発電し、NPO法人「やすらぎの里いとしろ」の事務所の照明や街灯などに使用されているそうです。
落差50センチ 1分間に60回転
常時500w
費用は200万円






水車にはいろいろな形があり、特性があります。
これは2010年に設置された上掛け水車。
落差3メートルでいとしろ農産物加工所の一部の電気を賄っています。
この水車を設置したことで、石徹白特産のとうもろこしを使った加工品の製造販売事業がスタートしたそう。
小水力発電は地域の活性化にも役立っているのですね。





これらはどれも普通河川から取水する農業用水が使われています。
以前は水力発電というと、水利権の問題があって二の足を踏まれるケースが多かったのですが、
河川法が改正されてから、その取得が以前に比べて簡素化されたようです。

これからの時代、希望の種は都会ではなく
いなかにこそ転がっているのかもしれませんね。













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